世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

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2024.07.03 活動報告

【ウクライナ危機】ドニプロペトロウスク州にて事業を開始します 

2022年2月からのロシアによるウクライナ全面侵攻により、国際連合人道問題調整事務所は約1,460万人が人道支援を必要としていると発表しました※1。その上、約370万人が国内避難民となり、避難生活の長期化が課題となっているのがウクライナの現状です※2。 

そこでGNJPは、ウクライナ国内で人道支援のニーズが最も高まっている東部ドニプロペトロウスク州を対象に「ウクライナ東部ドニプロペトロウスク州における脆弱世帯を対象にした現金給付、保護、心理社会支援複合事業」を新たに開始しました。 

本事業では、「現金給付」「ケースマネジメントを通じた保護」「心理社会支援」の複合的な3つの支援を実施することで、戦争が長引く中で複雑化するニーズに応じた支援を提供し、被災した方々をリスクから守り保護ニーズを満たすことを目指しています。

※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け実施しています。 


現金給付

この事業では、最大600人に対して、それぞれのニーズに応じた金額を給付します。都市部だけでなく、村や占領の影響を受けた地域なども、スタッフが訪問し、支援が必要な人々を見つけ出します。

保護ニーズが高いと判断された人に対しては、人道支援や社会保障を受けるための書類の取得費用、医療費、障がい者や在宅介護のための補助器具の購入費、緊急の避難費用など、それぞれの問題を解決するために現金を支給します。その際、スタッフが可能な限り支給された現金の使用に立ち会い、現金が適切に使われるように促します。

現地提携団体TTA(Tenth of April)による過去の物資配布の様子 

ケースマネジメント

多くの人が戦争による被害や急な避難によって証明書などが破損・紛失し、社会サービスにアクセスしづらくなっています。

一つのコミュニティに一つの医療施設しかなく、交通手段も制限されているため、週に一度しか公共交通機関が運行しない地域もあります。高価な治療薬を購入できない人々も多く、障がい者や負傷者の特別な保護装備や緊急性の高い病気の治療を行うのも困難な状況です。  

GNJPは、これらの問題を解決するために、500人を対象にケースマネジメントを実施します。現金給付と連携して、特に保護ニーズが高い人を特定し、人々へ広く支援が届くようにします。

ケースワーカーと対象者が一緒に課題やリスクを特定し、目標を設定します。そして、定期的に状況を確認し、状況に応じた必要なサービスや書類の取得やサービスを利用するための費用を提供します。


TTAによる過去のトラックでの物資支援の様子 

心理社会支援(PSS)

ウクライナでは、紛争の影響を受けた人口の22%が軽度のうつ病や不安症であり、10人に1人が精神的苦痛を抱えています。この影響で、ウクライナ全体で1,500万人の精神的健康状態が悪化していると懸念されています※3

GNJPは、ドニプロペトロウスク州に滞在する1,200人に対して、以下の3つの心理社会支援(PSS)セッションを提供します。

  1. 子ども向けのアートを使ったトラウマケアのグループセッション
  2. 大人向けの個人セッション
  3. 大人向けのグループセッション

これらのセッションは、シニア心理士とジュニア心理士が協力して行います。子ども向けのセッションは、GNJPの研修を受けたファシリテーターが心理士の指導のもとで実施します。

大人向けのグループセッションでは、ポジティブな子育てや、身近な人を亡くした人向けのケアなど、様々なニーズに対応するための支援を提供します。


TTAが過去に開催したPSSセッションでのアートセラピーの様子

終わりに

この新プロジェクトでは、半年間にわたりドニプロペトロウスク州に避難した人々を支援する予定です。

今後も事業の進歩状況をお伝えいたします。引き続き、皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。 



※1 Ukraine Humanitarian Needs and Response Plan (January 2024), p.4

※2 Ukraine — Internal Displacement Report — General Population Survey Round 14 (September – October 2023), p.2

※3 Ukraine Health Cluster: Health Context and Response Update (September 2023), p.6



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