【ウクライナ危機】ルーマニアに移住したウクライナ人家族を訪問しました
グッドネーバーズ・ジャパン(以下、GNJP)は、ロシアによるウクライナ侵攻による人道危機に対して、これまで食糧や生活物資、医療品の配付や心理社会支援などを行ってまいりました。2023年8月からはルーマニアにいるウクライナ難民の方たちに向けた現金給付活動も開始しました。
今回、私たちの事業により支援をうけたウクライナ人家族にインタビューをしました。
本事業では、一世帯あたり3ヶ月間分の現金給付を行っており、今回訪問した家族は昨年10月から12月にかけて支援を受けた方々です。
今回は現地スタッフのKateryna Biehuさん(カテリーナさん)にレポートをしてもらいます。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け実施しています。
現地スタッフのカテリーナさんのレポート:訪問の様子
2022年にロシアによる侵攻を受け、多くの家族はウクライナから避難することを決めました。そして、地理的にウクライナから近く、政府による支援策もあるルーマニアに避難を決めた人たちもいました。
ルーマニアでの仕事探し
ウクライナで教師として働いていたタチアナさんは、戦争で夫を亡くし、現在は娘のカリナちゃんと2人で暮らしています。最初に移住したルーマニアの都市ママイア(コンスタンツァの近く)では仕事を見つけることができなかったので、次はブカレストに移って仕事を探す予定です。娘のカリナちゃんは戦禍のストレスでパニック障害を引き起こしてしまい、対人恐怖症の症状もみられるといいます。
写真に写るクセニアさんと2人の子どもは、4月により家賃の安い場所へ引っ越す計画を立てています。彼女はウクライナで産婦人科医として働いていましたが、ルーマニアで産婦人科医として働くためには、ルーマニアでの資格を取ることが必要です。しかしそのためには数年にわたる長い時間と高い費用、ルーマニア語能力が必要となるため、彼女は専門性をいかした仕事に就くことができず、高い言語能力を必要としない限られた仕事をすることしかできず、経済的に厳しい状況に置かれています。
仕事探しで大きな障壁になっているのは、言葉が伝わらないという問題に加えて、ウクライナで就いていた仕事にルーマニアではつけないという問題が大きいのです。
子どもたちの生活
子どもたちの生活はどうでしょう。子どもたちはウクライナのカリキュラムをオンラインで学ぶか、ルーマニアの学校や支援団体が運営する補習校に通っています。支援団体が運営するアフタースクール(放課後)のプログラムでは、彼らに勉強以外のアクティビティや子ども向けの娯楽も無料で提供しています。 そこではルーマニア語を学ぶクラスもあり、子どもたちは少しずつルーマニア語での簡単なフレーズを使えるようになっています。
それでも時々、ウクライナ人の子どもとルーマニア人の子どもの間で衝突が起こってしまうこともあるそうです。子どもたちにとっては、突然違う言葉や文化を持つ人たちと一緒に学ばなければいけない状況になり、戸惑いや不安を抱いてしまうこともあるようです。
病と闘いながらの避難
また、重篤な病気をかかえていると、ルーマニアで高額な医療費が必要となるケースもみられます。
慢性の骨粗鬆症と腰痛を抱えるリュドミラさんは、背骨が衰えてきているため歩くのが難しく、手術をうけるにも彼女の年齢(71歳)では成功しない確率が高いと言われたそうです。痛みを少しでも和らげるために彼女は鎮痛剤を服用しており、この現金給付事業で受領したお金も薬代の一部に使ったそうです。
医療費の他に、食料品、家賃、光熱費などが、給付された現金の主な使い道として多くの人から挙げられました。
難民の方たちは、ルーマニアでの生活に奮闘しながら、戦争が終わったら故郷のウクライナに帰国したいと願っています。 しかし戦争が終わる見通しが立たないため、一部の親はこどもの将来を考えてルーマニアに定住することを考えています。
GNJPより
故郷を離れて他の国で暮らしていくことは、大人にとっても子どもにとっても悩みの多い生活であると再認識したと共に、周辺国の支援を受けながら移住地での暮らしに適応しようとする人々の姿が印象的でした。GNJPでは今回の現金給付だけではなく、教育支援や物資支援、心理社会支援なども行っています。今後も引き続きウクライナから避難された方々が安心して暮らせるように支援を行ってまいります。
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