【チャド 難民支援】スーダン難民急増に伴い新設された難民キャンプを支援
2023年4月に、アフリカのスーダン国内でぼっ発した、スーダン国軍（SAF)と準軍事組織である即応支援部隊（RSF)との衝突により、128万人以上の人々が国外への移動を余儀なくされ、難民となりました。（国際連合難民高等弁務官事務所(以下、UNHCR),2023）
隣国のチャドに避難するスーダン難民は日々増え続けています。しかし、チャドには、この事態が起こる以前の2000年代頃からすでに40万人以上の難民が存在していました。チャド国内に設けられている難民キャンプでの生活インフラは、以前から暮らす難民と新たに生活する難民とが共有するには許容量を超えており、あらゆる分野での緊急支援が必要とされています。
この状況を受け、グッドネーバーズ・ジャパンは2023年10月から急増する難民が安全な水へアクセスするために以下の支援を行っています。
１．給水施設の建設と同施設を適切に整備・管理する体制を構築
２．対象難民キャンプ内に４家庭による共用を前提した共同家庭用トイレの整備
３．対象避難民に対する衛生啓発活動
難民が生命の維持・生活に必要な水にアクセスできるよう難民キャンプにて給水施設の整備や共同トイレを整備をします。
※本事業はジャパン・プラットフォームの助成を受け、実施しています。
急増する難民に対応するために新設中の難民キャンプを支援
本事業の計画段階(2023年7月頃)においては、チャドに流入していた難民の数は約15万人、2023年末の予想人数も35万人程度とされていました。しかし、2023年8月以降、スーダン国内ダルフール地区における紛争の再発・拡大により 、スーダン難民の数が急増し、2024年3月末時点での難民流入数は約57万人に上ります(UNHCR)。
この状況を踏まえ、UNHCRは、既存10箇所の難民キャンプの拡張に加え、4つのキャンプを新たに新設することを決め、同新キャンプの建設・受け入れを現在急ピッチで進めています。
グッドネーバーズ・ジャパンは、2023年10月末-11月初頭にチャドに入域し、現地政府難民受け入れ機関（CNARR）やUNHCRチャド東部地域事務所と協議を行いました。その際、4万人の難民の収容を想定して新設中のアラシャ難民キャンプへの支援の要望を強く受け、実際に調査を行った上で、支援対象地に決定しました。
アラシャ難民キャンプは、給水体制そのものがまだ確立途上の段階であり、他の団体の支援もあまり入っていない状態だったことから、他難民キャンプに比べて、より支援が必要とされています。
直近の活動について
UNHCRとの連携のもと、新設キャンプの現状確認と拡大作業が進行中です。難民の増加に伴い、シェルターの増設が必要となり、キャンプのニーズや現状を把握するための時間が必要となっています。
アラシャ難民キャンプでは、WASH分野（給水車・水源掘削作業を含む給水施設建設、家庭用トイレの建設、ボランティアによる衛生啓発活動）での支援が増えています。これに伴い、UNHCR、現地受け入れ政府、他NGOsとの連携が強化され、活動内容や規模、介入エリアなどの情報交換が行われています。
しかし、政治的な混乱やインターネットの遮断、燃料価格の高騰などにより、事業の実施に影響が出ています。これらの問題に対処するため、現地事務所の整備やスタッフの採用、車両や燃料の確保などの準備を進めてまいりました。
2月にグッドネーバーズの現地事務所の修繕作業が完了し、事務用品の設置や現地スタッフの採用が行われ、事業実施体制が整いました。現在、給水車の動員や家庭用トイレの建設、給水施設の設置などの調整も進めています。
今後も現地の関係者と連携しながら、現地の状況に合った活動を続けてまいります。
