【チャド 難民支援】スーダン難民に対する緊急水衛生支援を開始しました
2023年4月にアフリカのスーダン国内で発生した、スーダン国軍(SAF)と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)との衝突により、128万人以上の人々が国外への移動を余儀なくされ、難民となりました。*UNHCR (2023)
この状況を受け、グッドネーバーズ・ジャパンは45万人以上のスーダン難民を受け入れている隣国のチャドにて、急増する難民が安全な水へアクセスするための支援を行っています。
※本事業はジャパン・プラットフォームの助成を受け、実施しています。
難民キャンプの現状と課題
2023年4月のスーダン危機以降、継続する紛争が原因で、隣国チャドに避難するスーダン難民は増え続けており、2023年末までには60万人にまで達すると言われています。さらに、チャドには、この事態が起こる以前の2000年代頃からすでに40万人以上の難民が存在していました。チャド国内に設けられている難民キャンプでの生活インフラは、以前から暮らす難民と新たに生活する難民とが共有するには許容量を超えており、あらゆる分野での緊急支援が必要とされています。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が発表しているスーダン難民緊急対応計画(Sudan Emergency Regional Refugee Response Plan)によると、難民キャンプ内での給水施設や衛生施設の整備や拡充が必要とされています。
過密な状態が続く難民キャンプでは、安全な水へのアクセスに限りがあります。衛生環境も劣悪で、水因性疾患の増加が懸念されています。さらに、医療サービスが脆弱であることや、重度の栄養失調も増加していることなど、様々な要因が重なり、病気の感染率や死亡率が高まることが予想されています。
既存のキャンプはすでに定員に達していることから、チャドへ逃れてきた人々の多くは、生活インフラの整っていない場所に一時的に身を寄せています。現在、新設キャンプの建設が進められており、同キャンプ内の生活インフラの整備が求められています。
しかし、2023年10月時点でチャド東部の難民キャンプにおいて、UNHCRといくつかのNGO団体が支援活動を行っていますが、急増する難民への支援が追い付いていないというのが実情です。
チャドにおけるスーダン難民に対する緊急水衛生支援
この状況を改善するため、グッドネーバーズ・ジャパンは、2023年10月からチャド東部の難民キャンプにおけるスーダン難民に対する緊急水衛生支援を開始しました。
11月には当団体の職員が実際に現地を訪れ、提携団体のグッドネーバーズ・チャドとともに調査を行いました。今回の調査やUNHCRおよび現地政府の難民受け入れ機関との協議結果から、水衛生施設等のニーズが高いとされる難民キャンプを選抜し、対象事業地の決定をしてまいります。
事業地の確定後、対象の難民キャンプで生活する人々が生命の維持・生活に必要な水にアクセスできるよう給水施設や共同トイレの整備を行う予定です。
加えて、整備した施設を適切に利用していくための知識を身につけられるよう、衛生啓発普及員を育成し、彼ら自身で啓発活動を行える体制を整えていきます。
さいごに
紛争の被害を受け、住んでいた場所から異国の地に逃げなければならなくなってしまった人々が、生命の維持・生活に必要な水にアクセスできるよう活動を続けて参ります。