【国際女性デー】紛争で奪われた女性たちの自信を取り戻すための自立支援
3月8日は「国際女性デー（International Women’s Day）」です。女性に対する差別を撤廃し、女性の活躍を祝うために、国連により制定されました。グッドネーバーズ・ジャパンは世界各国で女性がより輝けるための様々な支援を行っています。本記事では、その中でも紛争下のエチオピアで避難生活を送る女性を対象に実施している自立のための支援についてご紹介します。
2022年からグッドネーバーズ・ジャパンが支援を行っているエチオピアのアムハラ州デブラブラハンの避難所では、約1万8千人が故郷での紛争の脅威を逃れて避難生活を送っています。
十分な支援が行き届いていない避難所でも、家族の命を守るため、懸命に働く女性の姿が目立ちます。食料を乾燥させたり、加工したり、わずかな食料を使って共同キッチンで調理をしたり。授乳などの赤ちゃんのお世話や家事をこなしながらも、少しでもお金を稼ぐために、空いた時間には藁や空の袋からカゴなどの手工芸品を作ったりもしています。
しかし、彼女たちのような国内避難民が創作した手工芸品は現地市場では低い価格がつけられてしまいます。そのため、稼ぎは非常に少なく、明日食べるものがあるかもわからない中、物乞いをしたり、外部からの援助を待つ日々を過ごしています。
この避難所にいるほとんどの人は、紛争前は農業などで生計を立て、家族でまじめに働いて自立した生活を送っていました。それが、紛争によってある日突然、外からの援助に頼りきった生活を余儀なくされました。このような生活を続けていると、どのような気持ちになるでしょうか。避難所の人々は、飢えていくだけでなく、自信や希望、自尊心を失ってしまいます。
長期にわたる避難生活でこのように自信を無くした人々に対し、グッドネーバーズ・ジャパンは経済的に自立していくためのサポートとして、小規模のビジネスを立ち上げるための支援を行っています。（ジャパン・プラットフォーム助成事業）
女性を含む国内避難民の若者50名に対し、利益の計算や帳簿の付け方などの経営のノウハウを教える研修と小規模ビジネスの立ち上げ資金を提供しました。支援を受けて、喫茶店、売店、野菜の小売や理髪店など様々な小規模ビジネスが避難所周辺で立ち上がりました。
グッドネーバーズ・ジャパンの支援で、コーヒーや紅茶を提供する小さな喫茶店を開いた21歳のベレデチさん（仮名）は、約2年前オロミア州での紛争が激化した際に、夫と別れ、当時生後6か月だった息子を連れて着の身着のままの状態でこの地に逃れてきました。お金も資産も持っておらず、食料や衣服などを確保することが難しい環境下で小さな息子を育てることは彼女にとって人生最大の試練でした。
今回の支援で、起業研修や資金提供を受け、喫茶店経営を始めてから、1日500ブル（日本円にして約1325円）の利益を出すことができるようになり、うち100ブル（約265円）を貯蓄することもできるようになりました。
エチオピアでは、約17ブル(約45円)で栄養のある卵1つを、約22ブル(約60円)で安全な飲料水500mlを買うことができます。このような収入を得ることで、自分や家族の命をつなぎ、生活を立て直すきっかけとなります。
「グッドネーバーズの支援を受けてから、私の生活は一変しました。研修と資金提供とともに受けたフォローアップのカウンセリングは、もう一度私の人生に希望を持たせてくれました。」とベレデチさんは話します。
紛争前は家族で電子機器の小売業を営んでおり、比較的裕福な暮らしをしていたベレデチさん。紛争によりお金や資産、土地などすべてが奪われ、彼女は希望を失い、物乞いをする生活に自信を喪失していました。支援をきっかけに、新たな生計手段を得たことで、彼女は自信を取り戻し、将来に希望を持つことができるようになりました。「いつか自分の家も持ち、大学にも行きたい」と夢について語るベレデチさんは、自信に満ち溢れていました。
グッドネーバーズ・ジャパンは今後も支援を必要とする方々が自らの力を最大限発揮し、自信をもって生きられる未来を創るための活動を続けていきます。みなさまからの温かいご支援をお待ちしております。
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