インタビュー「グッドごはん」を支えるボランティア②
ひとり親家庭のためのフードバンク「グッドごはん」
「グッドごはん」は国内の子どもの貧困対策事業として2017年9月にスタートしました。貧困率が50%を超えると言われるひとり親家庭へ焦点をあて、生活への一助として無料で食品を提供しています。
当初、配付可能な世帯数は土曜日が60世帯、火曜日が30世帯程度でしたが、2019年1月から土曜日75世帯、火曜日45世帯と、定員を増やすことができました。
これは、皆さんからのご寄付と、継続的に活動に参加してくださるボランティアの皆さんのご協力があってこそできていることです。
今回は、グッドごはんでボランティアとして活動してくださっている筧雄二さんにインタビューをしました。
グッドごはんのボランティアに参加したきっかけは何ですか?
「去年の夏に70歳になり、仕事を辞める決断をしたことと、2年前に心筋梗塞で命の危険に陥ったことから、自分の人生を見直したいと思いました。今までに、食品関係の仕事を経験してきたし、もともと食べるのが好きだということから、フードロス(※)に関して何かしたいと考えました。
地元でやりたいと考えて大田区で探して、あちこち調べたり、見に行ったりもしました。それで子ども食堂を見に行ったりもして、今は一つ手伝っています。
グッドネーバーズ・ジャパンも検索で見つけ、メールで問い合わせて、ボランティアの枠があいていて、手伝えるならやろうと決めて来ました。去年から続けていて、来られるときは月に3回参加しています。」
※フードロス(食品ロス):まだ食べられるのに廃棄される食品のこと(消費者庁)
実際に参加してみた感想はいかがですか?
「ここに来るひとり親家庭の方が喜んでくれて、感謝してくれるということにやりがいを感じています。
実際に活動してみて、食品を集める人、運ぶ人、配る人など多くの人が関わっていると分かり、フードロス問題の活動は一人ではできないと実感しました。組織同士のコーディネートに課題があると思っていて、集める人(個人・団体・企業等の寄付者)と配る所(フードバンク等を行っている団体)など、上手く繋げ合わせることができれば、もっと活動が広がると思います。また、ボランティアをやりたい人と、そのニーズのある場所、食品が必要な場所を繋ぎ合わせる組織や仕組みがもっとできれば良いと思います。
そのような事を考えながら、私も勉強中で、講座を聞きに行ったりもしています。
日本人の特質的に食品を受け取るのを躊躇してしまう人もいると思うので、本当に必要な人に届けるために、まだまだやるべきことはあると思います。
しかし、グッドごはんはそれ(必要なところに届けること)に近い活動だと思っています。」
筧さんのようにご退職されて、何かしてみたいと思っている人や、ボランティアに興味がある人にメッセージをお願いします。
「自分の経験を活かそうと無理に考えるよりも、自分の興味があって、続けられるモチベーションがあるようなことをしてみるといいと思います。
グッドごはんだったら、月3回中1回だけ参加してみたり、少しの時間だけでもトライしてみてください。そして活動を続けてみて、困っている家庭の方が実際に食品を持って帰るのを見ていると、社会に貢献していると感じられると思います。
変に、自分が手伝っているということを意識しすぎると続かないのかな、と思います。」
筧さん、インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!
平日に参加できるボランティアさんが少ないので、筧さんにご協力いただけてとても助かっています。
より多くの支援を必要としている子どもとその家族に寄り添う活動ができるよう、どうか今後もお力添えください。