ハイチ大地震緊急支援・活動状況9
新着情報(2010年2月3日)
涙の中の新しい命
絶望に満ちたハイチにも希望が徐々に芽生えている。
現地時間17日午後2時、臨月の体で約5日間も崩れたフェンスの下敷きになっていたジョスリン(33)。苦痛の末、彼女は無事に救出され、緊急手術をして健康な男女の双子を出産した。
希望が見えない廃虚の中で、小さい希望の種が力強く泣いていた。
現地スタッフから。これまでの活動を振り返って。
ハイチ地震のニュース直後、グッドネーバーズは緊急救援対策室を設置し、14日には緊急援助の現場調査班がハイチに派遣されました。
現在、ハイチは劣悪なインフラと環境への地震被害の影響が非常に深刻な状況。このため、食料、飲料水、医療用品等の基本的な物資が不足して、被災者のストレスはピークに達し、治安が良くない状態です。
悪化した治安問題でハイチは国際空港を閉鎖し、国境地帯の通行を制限したため、現地で円滑に活動するのが難しい状況が続きました。
グッドネーバーズの現場調査チームは、隣国ドミニカ共和国からの緊急援助を担当するUN OCHA(国連人道問題調整事務所)にNGO登録をし、ドミニカ共和国とハイチの2カ国を行き来し、現地の状況を調査しました。
派遣された緊急救護チームのキム・イス代理は、「通りには、あちこちに死体が積み上げられ、伝染病の危険がある。水、食糧などが深刻に不足し、現場に行く為のガソリンの入手も困難な状況である」と、現地の状況を伝えました。
現在は、保健、医療スタッフも派遣され、現地で医療活動を展開しています。
家族を失い、友人を失った悲しみも束の間、生き残った人々を厳しい「飢え」が襲いました。うめき声や、すすり泣きの中、人々は崩れた建物の瓦礫に並ぶ死体や余震の恐怖に包まれ、一瞬のうちにすべてを失った人々の目には絶望だけが示されていました。
空腹に耐えかねた一部の住民たちが起こした暴動により、皮肉なことに安全上の理由から、多くの団体は物資配分をすぐに行う事ができなくなりました。
何もかもが、これまでの他の緊急援助よりもはるかに難しい状況です。グッドネーバーズもこのような状況で、現地の人々やスタッフの安全のために急な配布を行わず、 地域のリーダーと私達で計画を共有し、住民の意思をなるべく反映して、できるだけ多くの人に効果的な配布を進めることができるように事前に充分打ち合わせを行いました。
また、配布できる安全な場所を探し、現地時間21日午後、無事に750世帯3,000人に2週間分の米と豆の配分を行いました。今後も継続的な食糧支援と医療支援を続ける予定です。
しかし、まだハイチは食料、飲料水、医療用品等の基本的な品物や被害者のための避難施設が不足しています。かなり深刻な状況だから、物資配布や医療支援などの短期支援だけでなく、現地事務所を開設し長期的、安定的な事業を展開する予定です。