ネパール地震緊急支援 [5月12日~20日]チャイルド・フレンドリー・スペースでの心のケア
緊急支援チームは、4月25日に発生した地震の3日後(28日)から、被災者に防水シート、毛布、非常食などの緊急支援物資を提供しています。 5月18日までに最も被害の大きかったゴルカ郡の6,200世帯のほか、首都カトマンズなど2,000世帯に緊急支援物資を配布し、現在までに4万人を超える被災者を支援してきました。
医療チームはゴルカ郡の山間部にモバイルクリニック(移動診療所)を設置し、治療と医薬品を提供しました。 また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)対策チームはチャイルド・フレンドリー・スぺース(CFS:Child Friendly Space)を通じて、不安定な心理状態に陥りやすい子どもの心のケアをしています。
[5月12日~20日]チャイルド・フレンドリー・スペースでの心のケア
ゴルカ郡内のアルアルバン村など9つの提携校の在校生を含んだ約3,000人の子どもを対象に心のケアを行っています。 これらの学校に設けられたチャイルド・フレンドリ-・スペースには、毎日200人余りの子どもが訪れ、PTSD対策プログラムに参加し安全な環境で過ごしています。 またPTSDの専門家が地元の教師を対象にトレーニングを進め、子ども達が継続的なケアを受けられるよう準備しています。
同時に、保護者および教師を対象とした子どもの権利に関する講座を実施し、地域社会の中で子どもの権利に対する認識を広げています。
「今ネパールが泣いているんだ。 学校と家が一日も早く直って、早く涙が止まったらいいな。」
また、5月22日にはソウル女子大学の特殊心理治療専門の教授陣と専門家によるプロジェクトチームを追加派遣しました。 このプロジェクトチームはチャイルド・フレンドリー・スペースなどで子ども達および地域住民を対象により専門的な心のケアプログラムを実施します。
PTSD対策チームは子ども達の年齢に合わせたプログラムを作り、カトマンズの学校と連携して心のケア事業を広めていくことを検討中です。 同時に自治体や民間団体との会合を持ち、子どもの権利保護のためにできることを模索しています。
ネパール政府は現在、被災地域の復興計画を、住宅・教育・保健・水および衛生・社会インフラなど部門別に策定しています。 崩壊した学校に代わる仮設校舎、子ども・女性・高齢者のための心理ケア、飲料水確保のための水道整備、浄水槽および浄水器普及などが初期の復興支援として求められています。
グッドネーバーズはゴルカ郡地方政府との協議の結果、発災後3か月間の初期復興プロジェクトを進めることにしました。同時に地域全体の長期復興支援計画も検討中です。 被災者の方々が地震による不安と恐怖から解放され、一日もはやく元の生活に戻ることができるよう、皆様の温かい支援をよろしくお願い致します。