【ウクライナ危機】人道支援事業のフェーズ2が終了しました
2022年2月に発生したロシアによるウクライナ侵攻は、何千万人もの日常を奪いました。1300万人以上が国内・国外避難を余儀なくされ (2023年2月時点、UNHCRの報告より)、侵攻から一年半近く経つ現在でも、多くの人々が避難生活を続けています。
この人道危機に対し、グッドネーバーズ・ジャパン(GNJP)はルーマニアやウクライナの団体と協働し、被災者への支援を行っています。2023年7月、昨年9月に開始したウクライナ人道危機における被災者を対象とした食糧、医療および越冬緊急支援(フェーズ2)が終了しました。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成を受け実施しています。
フェーズ2 の活動成果
2022年9月から2023年7月まで行われたフェーズ2では、以下の成果をあげました。
食糧支援
・一週間分の食糧セットを累計52,800個配付(累計264トン)
医療支援
・20の医療施設に医薬品、医療機器を提供
・医薬品キット70個を提供
越冬支援
・越冬支援キット3,900セットを提供
食糧支援
戦争の影響を受け、ウクライナの人々の多くは食糧の入手に苦労しています。
前線近くの地域では生活インフラが機能していないため、そこに暮らす人々は買い物ができません。ウクライナ西部に避難している人々は、買い物はできるものの、長引く避難生活により金銭的な余裕がありません。
GNJPはFight for Freedom、MGM の2つの提携団体と協働し、国内避難民、前線にとどまる住民、支援を必要とするホストコミュニティ※の人々に対し、計264トン(一週間分の食糧セットを52,800個分)の食糧を配付しました。
※ホストコミュニティ:避難民が来る前からそこで暮らしていた人々や彼らが暮らす地域
食糧は小分け袋に詰められ配付されました。中にはパスタ、サラダ油、豆の缶詰、肉の缶詰といった食材だけでなく、心を癒すコーヒーやお茶、お菓子などが詰められました。この食糧セットは国内避難民のみならず、戦闘地域近くの地下室などにとどまっている人々や孤立した村で過ごす人々にも配付されました。彼らにとって、外からの食糧支援は文字通り命綱となっていたそうです。
食糧配付はウクライナ国内の計13箇所にて実施されました。この13箇所の中には、被害の大きいドネツクやハルキウなども含まれており、がれきが散乱していたり建物が破壊されていたりと悲惨な街の様子が見受けられました。
医療支援
ロシアによる軍事侵攻は、ウクライナの医療現場に大きな打撃を与えています。医療施設が攻撃の対象となる事もあり、特にウクライナ東部や南部では、医療提供体制が機能していないコミュニティも少なくありません。その一方で、ウクライナ西部にあるほとんどの病院は直接の攻撃を受けていません。インフラ攻撃により電力不足に陥った時期を除けば、通常通りに医療が提供されてきました。しかし、国内避難民の増加により、侵攻前と比較して外来患者数が1.3倍増加するなど、病院や医療従事者への負担が増大しています。
この医療危機に対し、GNJPは Radauti Civic、 Inima de Copil、 Palianytisia 3つの提携団体と共に計20の医療施設に医薬品や医療機器の支援を行いました。必要なものは医療施設によって異なるので、何を支援するかは支援担当者と病院の担当者が繰り返しやりとりをして慎重に決めました。また、医療機器の中には精密機器もあったため、配送にも細心の注意を払いました。
さらに、薬局やクリニックが機能していない地域のコミュニティに対し70個の医薬品キットを配付しました。
医薬品キットには、頭痛薬、風邪薬、アレルギーの薬など市販の医薬品を詰めました。1つの医薬品キットを届けることで、コミュニティに住む約200人が必要な時に適切な薬を手に入れることができるようになりました。
越冬支援
ウクライナの冬はとても寒いです。例えば、ウクライナ第二の都市・ハルキウでは、今年の1月の平均気温は-3℃、2月は-2℃でした。例年と比べると今年は少しばかり暖冬だったようですが、それでも厳しい寒さの中、避難者は避難生活を送らなければなりませんでした。避難先には、電力インフラが破壊されたり、暖房のための燃料が不足していたりと、防寒対策が十分とれない場所も多くありました。
GNJPは、ウクライナ国内に拠点を置く団体、Palianytsiaと協働し、厳しい冬を乗り越えるために必要なものを揃えた「越冬支援キット」を3,900セット(6,096人分)配付しました。キットには靴下、帽子、手袋、保温インナーなどの衣類や、キャンドル、着火剤などを入れました。
ある避難者は、「地下室だと火を使うことができないので、着て温まることができる衣類はとても助かる」と言い、ほっとした表情を浮かべながらキットを受け取っていました。
フェーズ3 に向けて
2023年8月に開始するフェーズ3事業では、引き続き食糧支援や医療支援を行うほか、高齢者世帯やひとり親世帯、障がいを抱えた人がいるなどより困難な状況に陥りやすい世帯を対象とした現金給付支援を行う予定です。
ウクライナ東部・南部などの前線付近での活動はまだまだ注意が必要です。ウクライナ国内の団体との連携を強め、安全にも注意しながら、より多くの人々へ支援を届けてまいります。
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