【バングラデシュ サイクロン】気候変動対応の防災プロジェクトの進捗
ベンガル湾に面したバングラデシュは、毎年サイクロンによる甚大な被害を受けています。パトゥアカリ県カラパラ郡は、ベンガル湾に直接面する南部に位置しており、サイクロンにより多くの家や建物が倒壊し失われるばかりでなく、毎年多くの死傷者が出ています。
しかし、同郡では住民が避難できるサイクロンシェルターの数が不足していることや、既存のサイクロンシェルターの老朽化が著しいことが課題となっており、サイクロン上陸中には住民が劣悪な環境で避難生活を送らなければならないケースが多くみられます。また、行政や住民の防災能力は十分とは言えず、能力向上のための啓発が求められています。
この状況を受けて、グッドネーバーズ・ジャパンでは、「カラパラ郡におけるサイクロンシェルターの修繕・建設および住民の防災能力向上支援」を実施しています。 ※この事業は外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」です。
本事業の実施にあたり、当団体は現地行政等と調整し、現行の1年次事業で修繕対象とするサイクロンシェルターやその数について再度検討を行いました。その結果、今年次では既存のサイクロンシェルターを計4つ修繕することを目指します。また、当初2023年3月までの予定としていた事業期間を延長し、2023年5月まで活動を行う予定です。
1年次事業では、上記の既存サイクロンシェルターの修繕に加え、住民の防災能力向上を目指した防災訓練の実施、サイクロンシェルターの施設管理委員会・コミュニティ主体の村災害管理委員会の組織化などの活動を行っています。
2023年2月28日には、カラパラ郡において開始式を開催しました。当日は、カラパラ郡にある3つのユニオン(行政区)の首長のほか、住民代表者、カラパラ郡行政、パトゥアカリ県防災当局、各行政レベルの災害管理委員会およびサイクロン対策プログラム*より代表者が出席しました。
* Cyclone Preparedness Programme (CPP):バングラデシュの政府とバングラデシュ赤新月社の災害管理プログラムであり、サイクロン上陸前に警報や避難指示などを発出する役割を担う
サイクロンは毎年やってきます。一日も早く人々が安全に避難できる環境を整え、一人でも多くの犠牲が出ないよう、各所との協力関係を築きつつ引き続き活動を行っていきます。
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