世界中の子ども達に笑顔を。途上国の子どもの教育支援・緊急支援を行う国際NGOグッドネーバーズ・ジャパン

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2023.02.15 活動報告

【モザンビーク 水衛生】安全な水にアクセスできるように

グッドネーバーズ・ジャパンは、モザンビーク共和国ガザ州にて、地域住民が衛生的な環境のもとで安全な水が供給され、トイレが使えるよう、水衛生環境を整備する「ガザ州3郡におけるコミュニティの水衛生設備整備および衛生啓発活動事業」を実施しています。 

3か年計画の内1年次の今年は、ガザ州マサンジェナ郡にて給水施設と学校トイレの建設、世帯トイレの普及および野外排泄ゼロを達成するための衛生啓発活動(CLTS=Community–Led Total Sanitation)、そして地域住民の給水施設と学校トイレの維持管理能力の強化を行っています。 

現在、マサンジェナ郡の中でも給水施設がないシトゥレ地域、ンゴマネ地域、シガマネ地域で給水施設の建設作業を開始しています。


※この事業は外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」です。


今回は、現在建設中の給水施設についてとマサンジェナ郡の水情報についてご紹介します。

バオバブの木が生えている理由 

マサンジェナ郡には、たくさんの大きなバオバブの木が生えています。
バオバブの木は乾燥地帯に自生するため、バオバブが多く生えているという事は、マサンジェナ郡は水資源が不足している地域であるという証拠です。

グッドネーバーズが活動する地域の1つには、大きな2本のバオバブがトレードマークとなっていて、Dois Embondeiros(2本のバオバブの木)と呼ばれている地域もあります。

マサンジェナ郡の水事情

モザンビークでは安全な水へのアクセスがない人がいまだ約半数おり、その多くが農村地域に暮らす人々といわれています。

そして、マサンジェナ郡で暮らす人々も同様に、水問題を抱えています。
今回は、この地域で暮らす人々を対象に行ったアンケートの結果から、特にシトゥレ地域、ンゴマネ地域、シガマネ地域の水事情に焦点をあてて、ご紹介します。

毎日片道1-2時間ほどかけて水を汲みに行く女性


日本の生活とは異なり、モザンビークなどのアフリカ諸国(特に農村部)では、飲料水・生活水の確保のために、毎日水汲みにいかなければなりません。
モザンビークでは、1世帯の平均人数は5人といわれているため、毎日25Lのポリタンク1-2個に水を汲み、5人で分けて生活しています。

各家庭からの安全な水源への水汲みの所要時間は、半数以上の人が1回30分以上かけて水汲みを行っているという結果でした。(わからないと答えた人が多かったンゴマネ地域を除く)

特にシトゥレ地域では、96%以上が3時間以上かけて水汲みを行っており、水の確保のために日々、時間と労力を費やしている現状があります。


また、飲み水の主な水源については、シトゥレとンゴマネの地域では全員が川もしくは溜め池を使用していると答え、シガマネ地域では約97%がハンドポンプを使用していると回答しました。
マサンジェナ郡全体では、公共の水道が約58%、川や池と答えた人が約28%と、マサンジェナ郡の中でも水へのアクセスに関して格差があることがわかります。



川や池では日常的に洗濯が行われ、さらに野外排泄や家畜の糞尿によって、池や川の水は綺麗な状態とはいえません。そのため、写真のように濁った水を使わなければいけない環境で暮らす人もいます。

水たまりで水を汲む様子

さらに必要なときに安全な水へアクセスできないと答えた人の割合は、マサンジェナ郡全体では約64%、シトゥレ、ンゴマネ、シガマネの3つの地域の平均は約83%でした。
水の衛生面や水道の故障、水が塩辛いなどの理由から、多くの人が安全な水を自由に使えていないと感じているそうです。 

また、安全な水にアクセスができないことにより、 過去2週間以内に下痢を患った家族がいる割合は全体で24%でした。
モザンビークを含むアフリカでは、5歳未満の死因の上位に入るほど下痢症は大きな問題とされています。

子どもの命と健康を守るためにも、安全な水の確保は必要不可欠です。

給水施設の建設状況 

このように厳しい環境で暮らす住民が安全な水へアクセスできるように、2022年9月からシトゥレ地域、ンゴマネ地域、シガマネ地域に各1基、合計3基の給水施設の建設作業を開始しています。

シガマネ地域で主な水源となっているハンドポンプは10mほどの浅井戸のため、特に干ばつの影響を強く受けているマサンジェナ郡では乾期になると枯れしまい、十分な水量を汲むことができません。
今回、建設している給水施設は、100m以上掘削し、深い地層から水を汲み上げる高出力の給水施設なので、乾期でも十分な水量を確保できます。
さらに、多くの住民に安全な水が行き渡るように、1基あたり10,000Lの給水タンクを2つ設置し、1日当たり計20,000Lを給水できる構造になっています。

また、各コミュニティから住民が集まるような広場に建設したため、各世帯からのアクセス改善も期待されます。

2023年2月に完成予定で、現在建設作業は最終段階に入っています。

給水タワーの土台部分の建設の様子
給水タワー建設中盤の様子
タップステーション建設初期の様子
塗装作業中のタップステーション

シトゥレ地域では、先日完成に伴い、地元のリーダーと住民とともに実際に施設を使い、水を試飲しました。

さらなる活動のため、ご支援のお願い

水や衛生サービスは健康に生きていくために欠かせないものですが、モザンビークには安全な水へのアクセスがない人が多くいます。 モザンビークでの水衛生支援事業によって人々の暮らしを守るため、現在、Yahoo!ネット募金を通してご支援をお願いしております。いただいたご寄付は、給水施設やトイレの建設、公衆衛生を向上させるための人材育成など、水衛生支援活動のために大切に使わせていただきます。

モザンビークの人々の命と健康のため、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。 

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