【モザンビーク サイクロン】保健医療サービスの改善事業
モザンビーク共和国中央部に位置するソファラ州は、2019年3月のサイクロン・イダイ上陸により、洪水や建物の屋根が剥がれるなどの甚大な被害を受けました。
多くの被災者が住む場所を失い、政府が設置した再定住地へ移住しましたが、その再定住地には病院や学校といった公共サービスが十分に整備されていません。
グッドネーバーズ・ジャパンは2つの再定住地(Ndejaと7 de Abril-Cura)にて、ヘルスセンターの建設および無償のコミュニティ・ヘルス・ワーカーの育成事業を通し、住民の保健医療サービスへのアクセスの改善を目指しています。
※この事業は外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」です。
ヘルスセンター建設
2021年7月初旬、ソファラ州保健省とグッドネーバーズとの間で当事業に対する合意書が締結され、その翌週にはソファラ州保健省およびニャマタンダ郡保健局と共に、ヘルスセンター建設予定地の視察と決定を行いました。
無償のコミュニティ・ヘルス・ワーカー育成
※コミュニティ・ヘルス・ワーカー(以下CHW)とは
地域住民の中から選ばれた人材が地域の各家庭を訪問し、住民の健康状態や妊娠している人の有無などを調査し、住民に病気の予防方法を伝えたり、病院の受診が必要な人には最寄りの病院を紹介したりします。
医療施設・人材の不足が問題視されるモザンビークを始めたとしたアフリカ・サハラ砂漠南部の諸国において、保健医療サービスが届きにくい地域で地域住民と保健医療サービスをつなぐ、重要な役割を担っています。
CHWの活動継続のために
本事業では、本事業ではCHW育成のため、事業地の地域住民の中から受講者を選出し研修(前期・後期)を実施しました。受講者は5日間の前期研修で、CHWとは何か、家庭訪問の方法およびヘルスセンターへの報告と紹介の仕方、一般的な病気の予防や罹患した際の対処法、家族計画、母子健康について学びました。また講義を聞いた後、グループワークでお互いに意見交換をする事で理解を深めました。
無償のCHWはボランティア活動であり、研修を受けた後のCHWの活動は本人たちのやる気ややりがいに左右されるため、継続性が大きな課題です。
グッドネーバーズ・ジャパンはニャマタンダ郡保健局と話し合い、CHWの活動の継続性を高めるために、地域の保健委員会のメンバーを研修の参加者に含めることにしました。保健委員会は地域の保健医療体制強化に対して熱意がある住民ボランティアで形成されていることから、このメンバーが中心となって地域のCHWの活動を引っ張っていく体制を作ることを目指しています。
研修最終日には、本事業のCHW育成担当オフィサーが趣味のギターで“ウイルスにNOと言おう”という歌詞の曲を受講者と共に歌う場面もあり、受講者たちの間で一体感が生まれました。
現地事業統括担当の平良スタッフより
再定住地では、多くの住民が移住直後に支援を受けた木材などのシェルター建材で建てた家に住んでいますが、現在はレンガを作ったより強度の高い家を建てる準備をしています。トウモロコシや豆、キャッサバなどの畑を耕し、ヤギ、鶏、アヒルなどの家畜を飼い、住民たちは新しく移り住んだ土地で、以前のような生活を取り戻し始めています。
Ndeja再定住地にはサイクロン・イダイ直後から仮設病院が設置されており、グッドネーバーズ・ジャパンが建設するヘルスセンターの完成後にはここで働く方達が配属される予定です。
グッドネーバーズ・ジャパンの活動がこの再定住地の新たな、より良い町作りの一部となれるよう、尽力致します。
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