フィリピン台風緊急支援 被災した子どもたちの心のケア
昨年11月8日に大型台風30号(ハイエン)がフィリピンに上陸し、各地に甚大な被害をもたらしました。
震災直後から緊急支援活動を行っていたグッドネーバーズは、被災地ギワンに新たに事務所を構え、復興支援として子ども達への給食提供や学習環境改善を続けています。しかし、中には台風や高波の経験がトラウマになり、頭痛や不眠を訴える子どももいました。
そこでグッドネーバーズは、災害後の不安感を取り除くためのワークブックを作成し、心理ケアプログラムを実施しました。これは、子ども達と先生を対象としたもので、認知行動療法(考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できる心の状態をつくる心理療法)に基づいて作られたものです
ワークブックは5つのパートに分かれており、子ども達はこれらのプログラムを通して感情をシェアし、不安を取り除くために絵や手紙を書きました。また、災害後の気持ちの変化は自然なことだと学びました。
プログラム前後で子どもの持つ不安感を測るテストを実施したところ、中度または重度の不安を抱える子どもの割合は80%から58%に減少しました。
プログラムに参加した子どもへのインタビュー
「このプログラムに参加して、私は未来に希望を持てるようになりました。
なによりも、台風の被害を怖がっていることが異常なことではないと知って安心しました。」
プログラムを実施した学校の先生へのインタビュー
「私は災害後の様々な経験や感情を共有することができました。
今回の台風はとても悲惨な災害だったけれど、前向きに変わった子ども達から希望を感じています。
プログラムを通して多くの子ども達が将来に希望を持つことができ、 グッドネーバーズのみなさまには本当に感謝しています。」
グッドネーバーズは今後も被災した子ども達が心身共に健康な状態で学校に通うことができるよう支援をしていきます。