ロシアによる軍事侵攻が長期化するウクライナでは、2022年5月現在、ウクライナの人口の約4分の1、約1,300万人が国内外への避難を強いられています。そのうち近隣諸国へ逃れたウクライナ難民は、698万人を超えました (6月1日時点, UNHCR)。
「戦闘が近づくにつれ、砲撃とサイレンが毎日街中に鳴り響くようになりました。だから、自宅から避難することにしたんです。」
ウクライナの南部ムィコラーイウに住んでいたタチアナさん(37歳)は、4人の子どもと自分の母親を連れて、ルーマニアの国境付近の町イサクチャに避難してきました。タチアナさんの夫と父親、ペットを自宅に残すという厳しい決断をしました。
グッドネーバーズは、ウクライナ国内およびルーマニアへ移動した難民を対象に、食糧や医薬品の配布、難民の移動支援、難民の子どもたちが安心して遊べるチャイルド・フレンドリースペースの設置など、さまざまな支援を行っています。
食糧配布の支援では、ウクライナ内外に拠点を構える複数の現地パートナー(現地NGOや行政機関)と協力し、5月までに、オデーサをはじめとする8州で、22,652世帯に食糧を届けました。戦争が長期化し、ウクライナ国内の物価が急速に高騰している状況を鑑み、継続的な食糧支援を進めています。
さらに、ルーマニア国内の教会などに4つのチャイルド・フレンドリースペース(CFS)を設け、5月までに、1,655人の子どもたちを支援してきました。また、心理的支援プログラムの導入により、戦争でトラウマを抱えたり不安や緊張を感じたりしている子どもたちとその家族を支援しています。その他にも、ユニセフと共同で、国境を越えて避難してきた子どもたち16,000人を対象に、子どもの保護に関するプロジェクトを4月12日から開始しています。