【トルコ・シリア地震】緊急支援終了のご報告
グッドネーバーズは、2023年2月6日にトルコ南東部とシリア北西部で発生した大地震直後から、緊急支援チームを派遣して支援活動を行ってまいりました。2023年5月からは、トルコの現地団体の協力のもと、被災者の方々への災害ケースマネジメントや現金給付、物資配付の支援を行いました。地震発生から一年半が経ち、2024年8月31日をもってこの緊急支援活動を終了しました。
第一期:災害ケースマネジメントと現金給付(トルコ、シリア北西部)
トルコとシリアの両国にて、被災者のニーズを把握してそれぞれが必要とするサービスにつなげる災害ケースマネジメントを実施しました。ケースマネジメントの結果、他団体による障害者支援の活動や教育支援活動、心理社会的支援の活動などの紹介を受け、トルコでは1,203人、シリアでは1,543人がそれぞれの家庭や個々のニーズに合った支援を受けています。
また、トルコで1,767世帯、シリアで2,667世帯に現金給付を実施しました。本事業では、被災者の方々がそれぞれの必要に応じて物資を購入できるように、現金もしくはそれに近い形での給付を行いました。
第二期:越冬物資と生活用品の配付(トルコ)
トルコで仮設住宅で暮らす被災者の方々を凍傷などの危険から守る越冬物資を支援しました。
隙間から入る雨風を防ぐブルーシートとそれを固定するロープや専用のテープのセット、また毛布やじゅうたんを950世帯に配付しました。
生活用品の配付においては、事前に各家庭を訪問して聞き取りを行い、家庭の人数や家族構成などを考慮して必要数を確認して配付しました。
最もニーズが高かったのは、停電時に使用できる充電式ランプ(705世帯)、次いでマットレス・シーツ(621世帯)、調理用電気コンロ(367世帯)でした。
他の支援があっても、家族の人数にかかわらず全家庭一律で配付されることが多かったため、大家族では必要数が足りていないことが多く見受けられました。
担当者より
2023年2月、自身も震災によって親せきを亡くしたという提携団体のスタッフと一緒に被災地を訪れました。あの日から一年半、皆様のご支援とたくさんの方々のご協力のもと、支援を継続できたことに感謝申し上げます。
これまでの活動を通して、約4,400の世帯が給付金支援を通して食料などを購入することができ、約1,200世帯が越冬物資や生活用品を受け取り、約2,740人が災害ケースマネジメントを通してそれぞれが必要とする支援を受けることができました。これらの支援は、被災者の方々の安心感の向上や尊厳の回復にもつながっています。
稀に見る被災規模の大地震から一年半。現在でも数多くの人々が仮設住宅での生活を余儀なくされており、復興への道のりはまだまだ長い状況です。一部の避難所や被災者の方には支援が届きにくい状況が続いており、現在でも劣悪な衛生環境での生活をしている被災者もいます。
緊急支援という形での活動は8月31日で一旦終了となりますが、グッドネーバーズ・ジャパンでは、今後も被災地の復興のための活動を計画しています。
これまでの皆さまの温かいご支援・ご声援に感謝申し上げます。
これまでの活動報告
【トルコ・シリア地震】災害ケースマネジメントからわかった被災者の方々の状況
【トルコ・シリア地震】「世界の人たちに忘れられていると思っていた」日本人職員の調査より
【トルコ・シリア地震】二次被害に苦しむ避難民に継続的な支援が必要です。