昨年に国連開発計画(UNDP)が発表した「人間開発指数」において、チャドは189カ国中最下位から3番目の187位でした(日本は19位)。
「人間開発指数」とは、教育、健康(寿命)、所得の観点から各国の生活の質を評価した指標です。
この指標を開発した経済学者のマブーブル・ハックは、「開発の基本的な目標は人々の選択肢を拡大することである。」と述べました。
人が自分の才能や可能性を活かして、それぞれの意思で価値ある人生を送れるようにすることが開発であり、経済成長は人の選択肢を拡大するための手段にすぎないのです。この選択肢の拡大の基礎となるのが、教育、健康、所得です。
1990年の統計開始以来、世界的に改善傾向にあった「人間開発指数」は、新型コロナウイルスの影響で初めて低下するおそれがあるそうです。新型コロナウイルスは、指標である「教育・健康・所得」のすべてに打撃を与えるためと言われています。
2020年は世界中で学校が閉鎖され、ヨナスクールを含め多くのチャドの子どもたちは進級ができませんでした。長期にわたる学校の閉鎖は、特に人間開発指数の低い国々において、先進国との教育格差の拡大や、児童労働・児童婚の増加に繋がる恐れがあります。
チャドの子どもたちの未来の選択肢を守るため、グッドネーバーズは引き続き子どもたちの権利を守る活動を続けてまいります。