「妹を学校に通わせたい」12歳の少年は今日も危険な建設現場へ・・・。
生後たった10日目に変わった人生 バングラデシュで暮らすアリフ君の人生は、生後たった10日目に大きく変わりました。父親が亡くなったのです。そして数日後、母親はアリフ君と双子の妹を置いて出て行きました。 育ててくれたのは祖母でした。 小学校4年生の時、アリフ君は学校をやめ、年老いた祖母に代わり一家の長になりました。 毎朝7時に起きて、昨日と同じ服を着て出かけます。その手には教科書も文房具もなく、向かうのは日雇い労働の案内所です。多くの場合、子どもにできる雑用が多い建設現場での仕事が見つかり、車に乗って現場に向かいます。 子どもにもできるとされる雑用とはいえ、建設
「シャワーは2日に1度…」新型コロナが直撃したひとり親家庭の生活の今
新型コロナウイルスで困窮するひとり親の香織さん(30代、仮名)の生活とは? 30代後半の香織さんには、颯太くんという小学3年生のお子さんがいます。颯太くんが3歳になったばかりの頃に離婚を経験した香織さんは、親権を得て2人での生活を送ってきました。 年収は、週6日、1日6時間の飲食店でのパートと公的補助金を合わせて200万円未満。元夫の収入は不安定で、養育費を受け取れることは滅多にありません。月の食費を1~2万円に切り詰めて、ギリギリの生活を続けてきました。 そんな母子2人の生活は、新型コロナウイルスの感染拡大でさらに追い詰められることになりました。 緊急事態宣言が発令さ
ご存知ですか?ひとり親家庭のお母さんたちのこと
7歳の子どもを働きながらひとりで育てる美紀さん(40代、仮名)の生活 40代の美紀さんには、葵ちゃんという7歳のお子さんがいます。葵ちゃんが2歳の頃、美紀さんは離婚を経験しました。 それ以来、養育費を受け取れずにひとりで子育てをしてきました。 パートを掛け持ちして週6日働いていますが、子どもが熱を出したり、学校の用事などで仕事を休まなければならないことも多く、年収は公的補助金を含めても200万円未満。家計は常にギリギリです。 いつも疲れを感じていて体調を崩しやすいそうですが、パートを休むと収入が減ってしまうため、なかなか休めません。 食費も1~2万円に切り
10歳のサミア。5歳のときから毎日通っている場所は?
学校へ行く代わりに、危険な職場で働いている子どもたちがいます。その数は、1億5,200万人※1。そのうちのひとりを紹介します。 サミアちゃんが毎日通うある場所とは? 5歳の女の子が、毎日ある場所に通っている。 そう聞いて、あなたならどんな場所を思い浮かべますか? 幼稚園や保育園かもしれませんし、近所の公園、児童館かもしれません。 大好きな習い事があって、毎日レッスンに通っているという子もいるでしょう。 でもそれは、日本での話です。 サミアちゃんは、バングラデシュの首都、ダッカに住んでいる女の子。 。 ここで、プラスチックのボトルや金属片を集
「私の身体、臭いかな」ゴミ捨て場にいる少女。なぜ?
学校へ行く代わりに、危険な職場で働いている子どもたちがいます。その数は、1億5,200万人※1。そのうちのひとりを紹介します。 ゴミ捨て場に毎日通う少女 バングラデシュの首都ダッカで暮らすサミアちゃんは10歳です。 彼女は5歳の時から、毎日ゴミ捨て場に通っています。1日中ゴミを漁り、プラスチックのボトルや瓶、金属片など、お金になりそうなものを探します。 1日の終わりにゴミの買取業者にそれを売ります。受け取るのは110タカほどのお金です。日本円で約140円です。 金額です。 幼稚園には行ったことがありません。小学校には通いましたが、1年生でやめるしかありません
ビシャル、10歳。目も手も痛い。でも、もっとつらいのは・・・。
学校へ行く代わりに、危険な職場で働いている子どもたちがいます。その数は、1億5,200万人※1。そのうちのひとりを紹介します。 10歳のビシャル君が、採石場で働く理由は? ネパールに住むビシャル君は、10歳です。 日本でいえば、小学4年生。 学校で勉強したり、友だちと遊んだり、習い事に励んだりする年ごろです。 でも、彼にはそんな時間はありません。 。 彼の職場は、大人にとっても危険な採石場。 手で石を押さえ、ハンマーで叩き割って小さくするのが、彼の仕事です。 手は傷だらけ。石の破片が飛び散り、目に入ることも。 1日中この仕事をしても、もらえる賃金
大人が吸うためのタバコを巻く。少女たちを救う方法とは?
バングラデシュに暮らす9歳のミーナと11歳のミーム。2人の少女の共通点は、タバコ工場で働いていることです。 大人が吸うタバコを子どもが巻いている 大人の嗜好品であるタバコ。これを巻いているのがご自身の子どもだとしたら、あなたはどのように思われますでしょうか。 「ガル」と呼ばれるタバコがあります。粉状の原料を使っているのが特徴である「ガル」の製造工場には、常にタバコの微粉が舞っています。大人でも息苦しく、長く働くと健康に深刻な影響を及ぼすことは明らかです。 バングラデシュの首都ダッカの北西にあるスラムで暮らすミーナ。少女が働くのは、そんなタバコ工場です。 は、学
11歳のモシュミ。教室でペンを握るはずの手にはタバコ。なぜ…?
学校へ行く代わりに、危険な職場で働いている子どもたちがいます。その数は、1億5,200万人※1。そのうちのひとりを紹介します。 モシュミちゃんの手に握られているのは? 11歳。日本では小学5年生か6年生。ランドセルに教科書や筆記用具を詰めて学校に行って勉強し、放課後は友達と遊んだり、習い事に行くような年齢です。 日本の子どもたちが教室でペンを握って勉強している時間、バングラデシュの首都、ダッカに住んでいるモシュミちゃんが過ごしていた場所。 。 この工場で働き始めた頃、彼女はたった5歳でした。 小学校に入学してから卒業するまでの時間を、工場でタバコ