「蚊をやっつけろ!」バングラデシュのモスキート・バスターズ
蚊が媒介する病気はマラリアの他、日本脳炎やデング熱など主に熱帯、亜熱帯地域で流行するものが多くみられます。
世界保健機関(WHO)は10月6日、世界初のマラリアワクチンについて、アフリカや東南アジアなどマラリアの感染リスクが特に高いとされる地域における子どもへの使用を推奨すると発表しました。特にアフリカでは、年間26万人以上の5歳未満の子どもたちが、蚊によって媒介されるマラリアで亡くなっており、このマラリアのワクチン開発は医学における最大の成果の1つともいわれています。
バングラデシュでは、近年冬でも蚊が見られるほど、蚊の数が急激に増加しています。
この記事では、蚊が媒介する感染症から村を守るために、自ら立ち上がったバングラデシュの地域住民たちの話をご紹介します。
蚊が媒介するウイルスから村を守る
バングラデシュ国内では年間10万人がデング熱を発症するなど、蚊が媒介する感染症が拡大しています。
蚊が繁殖しやすい環境と、予防や隔離などの対策不足により、子どもたちや住民が様々な感染症の危険にさらされています。
グッドネーバーズは2021年の夏、ミルプール地域とグルシャン地域の住民を対象に、保健衛生事業「蚊コントロールプロジェクト(Mosquito Control Service)」を実施し、地域住民が安心して日常生活を送ることができるよう支援しました。
蚊媒介感染症とは?
蚊媒介感染症とは、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症のことで、デング熱やマラリアなどが例に挙げられます。
とりわけ、予防ワクチンや治療薬がないデング熱は、特に注意しなければならない病気とされています。
消毒から予防啓発まで 地域住民自ら立ち上がる
グッドネーバーズは、住民が主体となって地域の問題を解決することができるように、ボランティアグループを組織しました。
同時に、蚊媒介感染症の拡大を防ぐための基本的な対策と、都市部で蚊が発生する水たまりなどの環境をなくす対策の必要性を自治体に伝え、事業が終了した後も改善された環境を継続的に維持できるように支援を行いました。
グッドネーバーズは、全世界のすべての子どもたちと地域住民が適切な衛生環境のもとで生活でき、安全で健康的な毎日を送ることができるよう支援を続けていきます。