不安と孤独に襲われていた私が出会った「グッドごはん」 | 利用してからの変化と暮らし ~グッドごはんを継続的に利用する人へのインタビュー~
グッドネーバーズ・ジャパンは、日本国内の子どもの貧困対策として、ひとり親家庭への食品支援事業「グッドごはん」を運営しています。
当団体は、グッドごはんを利用する家庭に寄り添った支援を行えるよう、利用者の声を聞くことを大切にしています。
今回グッドネーバーズ・ジャパンのスタッフが、小学生のお子さんを育てる利用者の愛子さん(仮名)へインタビューを行い、愛子さんが継続的にグッドごはんを利用してきた中で感じるご家庭での変化や、グッドごはんへの印象などについてお話を聞きました。
子どもがグッドごはんの食品を見て・・・
――愛子さんは4年ほど前からグッドごはんを利用されていますね。グッドごはんを利用し始めてから、ご家庭での食事に関して何か変わったことはありますか?
愛子さん グッドごはんを利用する前は、カップラーメンやインスタント食品など安くてお腹にたまるものばかりを選んで食べていました。グッドごはんで毎月お米をもらえるようになって、お米を買う必要がない分、代わりにおかずを作ったり、お惣菜を買ったりできるようになりました。
――グッドごはんを利用する以前、大変な時期があったのですね。「食べ物が足りなくなるかもしれない」と不安に思うことはありましたか?
愛子さん それはあったかもしれません。もしグッドごはんを利用していなかったら、買い物に行く頻度や食費は絶対に高くなっていたと思いますし。
グッドごはんで食品を頂けて、特に、家にお米があるという安心感が大きいです。それに、子どものために他の部分でお金を充てられるようになって、好きなお菓子を買わせてあげたり、誕生日に予算を上げておもちゃを選ばせてあげたりできるようになりました。
――お子さんに対してもできることが増えたのですね。よかったです。
愛子さん 食品を頂いた時の子どもの笑顔を見るのが、何より嬉しいです。
子どもはグッドごはんで野菜や果物をたくさん頂くと、「この食材を使って何作ろうか?」と言って、最近は私と一緒にチャーハンやオムライスを作ったりもしているんですよ。 子どもは食欲旺盛な方ではないのですが、グッドごはんをもらった時は目を輝かせて、「一緒に作る!」「おいしいね!」と言っています。
安心をくれるグッドごはん
――グッドごはんを利用し始めて、気持ちの面で何か変わったことがあれば教えてください。
愛子さん 私は元夫の暴力が原因で子どもと家を出たのですが、その直後はとにかくがむしゃらに、やるしかないという気持ちで過ごしていました。ですが半年くらい経ってから、孤独感や不安をすごく感じるようになって…。
そんな時にグッドごはんを知って、初めて受け取りに行ったのですが、その時本当にびっくりして。無料で、知らない人に…いいのかな?とすごく感動したし驚いたことを今でも覚えています。こんなに優しい方たちが世の中にいるんだと思って、すごく安心した気持ちになったんです。
今もそれは変わらず、何かある時に声をかけていただけるという環境が、すごく心が温かくなるし嬉しい気持ちになります。
――そのような声が聞けて嬉しいです。
愛子さん いつも助けていただいているから、何か少しでも私に恩返しやできることがあるなら、お力になりたいなと思っています。
それから、私はいつも食品を頂くと、子どもに「これは、お母さんと子どもで頑張っている家族を助けてくれる人たちから頂いているんだよ」と話しています。グッドごはんは、私たち家族の中で本当に大きな存在です。
コロナ禍で掴んだチャンス
――グッドごはんを利用している期間で、何かお仕事の変化はありましたか?
愛子さん コロナ禍になり、パート先の飲食店が休業し、家にいる時間が長くなりました。仕事が時給制だったので、収入がゼロになる怖さもありました。
そんな頃に家で何かできないかと思っていたところ、雑誌でオンラインの日本語講師の案内を見つけました。元々国際交流が大好きだったので、“これだ!”と思いました。
そこから日本語講師になることを目指して、飲食店のパートをしながら養成講座を受けて勉強しました。養成講座はお金がかかるので迷いましたが、自治体のひとり親支援制度を利用して受講したんですよ。そしてその後、無事に検定試験に合格できました。
――お仕事と資格の勉強を両立されていたのですね。試験への合格、おめでとうございます!
愛子さん ありがとうございます。試験に受かった後、昼は飲食店のパート、夜は子どもが寝た後、22時~23時頃からオンラインで日本語を教えていました。その後、もう少し深く教え方を知りたいと思い仕事を探して、去年から日本語学校で働いています。
――日本語学校でのお仕事はいかがですか?
愛子さん 本当に楽しいですし、世界が広がりました。日本語講師の資格を活かして前より収入が増え、仕事内容も充実しています。その一方、子どもとの時間がほとんどなくなってしまったので、今は業務量を調整しています。
仕事は好きで楽しいしやりたい、だけど子どもとの時間も大切なので、バランスが難しいですね。自分がもう一人ほしいなって思います。
もどかしいこともありますが、好きな仕事に出会えて、今はとても楽しく過ごせています。
――お話をありがとうございました。
今回は、グッドごはんを継続的に利用する愛子さんへのインタビューをお届けしました。
多くの皆さまのご支援がグッドごはんの活動を通して、ひとり親家庭の利用者さんを支え、前向きな変化をもたらすきっかけとなっています。
どうか引き続き、グッドごはんへの温かい応援をよろしくお願いいたします。
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