【連携企業】敷島製パン株式会社:Pascoのパンをひとり親家庭の子どもたちに
「超熟」シリーズでお馴染みの敷島製パン株式会社(Pasco)は、「パンで社会に貢献する」という理念のもと100年以上前から日本の食卓を支え続け、また国産小麦の小麦粉を使用したパンづくりで、日本の食料自給率向上へ貢献する取り組みを続けています。
2022年より、ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」を通して、「超熟」シリーズを始めとするPascoのパンをひとり親家庭に届けてくださっています。
企業ご担当者インタビュー 敷島製パン株式会社 (Pasco) 企画管理グループマネージャー 森田英義 様
「何をやっていいのか分からない」と考えていたところ・・・
―― グッドネーバーズ・ジャパン(GNJP)と連携を始めたきっかけについて教えてください。
森田さん GNJPのみなさんと、食品メーカー等が集まるイベントで出会ったのがきっかけでした。イベントに出席した弊社専務の盛田が最初に関心を持ち、支援活動についてお話を伺いました。弊社の経営理念の中に「社会の変化に常に関心を払い、社会の発展、環境保全に貢献する事業活動を推進する」という文言があるのですが、これはまさにSDGsの取り組みに直結する、と考えておりました。しかし、私としてはまだ何をやっていいのか分からない、ともやもやしてるところで、GNJPのひとり親家庭への支援の話を聞いて、探していたものを見つけた、という気がしましたね。
―― タイミングも含め、こちらも森田さんとの「ご縁」を感じていましたが、御社もそう感じてくださっていたと聞いてとても嬉しいです。 その後、GNJPとの連携はどのようにご決断なさったのでしょうか?重視した点などありましたか?
森田さん 支援・連携を決める際には、スタッフの方と更に詳しい話をしたり、公式サイト等の情報を見たりして、我々が商品を提供した場合、きちんと支援対象者に届くのかということを見させてもらいました。また、これは偶然ですが、ひとり親の方々が置かれている状況を報じたテレビニュースでGNJPが提供した調査結果が使われているのを目にして、きちんと活動をされている団体なのだということが分かりました。
―― これもまたご縁ですね。
森田さん そうですね。一つの決め手になりました。 しかし、最終的な決め手としては、活動にあたるスタッフの皆さんの人柄が大きかった気がしています。支援対象者の方々が喜ぶ顔が見える程のお話をされていて、法人としてやるという以上に、皆さんが本当に支援したいという想いがより強く伝わってきたので、数ある支援団体の中でもGNJPと連携していこうと決めました。
―― ありがとうございます。嬉しいです。
パンを受け取る利用者の反応を見て、自分が生かされていると実感
―― 森田さん個人的には、 GNJPとの取り組みについてどのような思いがあったのでしょうか?
森田さん 食を通じて社会に貢献するという社の大命題がある中で、私の仕事としてはお客様と直接繋がりにくい業務が多かったんです。GNJPとの取り組みを始めて、実際にグッドごはんの食品配付現場をお手伝いしたのですが、受け取りに来たお子さんの「あー超熟だあ!うれしい!」という声を生で聞いたときには、感動しました。自分はこういうことをやりたかったと思いました。嗜好品である菓子パンもなかなか食べられないお子さんがいると聞いていましたが、「ホイップあんぱんだー」と言ってくれた子もいたんです。ああ、こうやって我々は生かされているんだなと実感できる瞬間でした。
―― 確かに、食品配付の現場ではPascoさんのパンを見て「たすかるなー」と言っているお母さんや喜んでいるお子さんの様子が見られます。
森田さん あれは嬉しいです。
お互いに良い形を作ることで不安を払拭
―― では、商品のご寄付を始めるにあたって心配だった点などはありましたか?
森田さん 商品の寄付を始めるにあたっては、やはり余剰品を提供させていただくので、「この製品をいくつ」等の指定をされると対応できかねるので、少し不安でした。しかし、それは(最初の相談の時点で)「問題ない」と言っていただけましたし、消費期限の短さも決して嫌がらずに受けていただいているので、そういった面での不安はすぐに解消されました。 もう一つネックになるのが物流です。開始当初はGNJPの倉庫が近いという利点を生かして、我々のメンバー(社員)が運搬できました。コストも抑えられるし、社員が参加できることもメリットです。通常の業務だけでなく、こういった世界があるということを知るという意味ではすごくいい機会だったと思います。 みんな「今日は俺が」「今日は私が」という感じで一生懸命前向きにやっていました(笑)
―― 毎回違うメンバーが来てくださって、運び込む作業もして頂いて、グッドごはん運営側としてもとても助かりました。
森田さん 今はGNJPの倉庫が板橋に移り遠くなったので、相談をして、GNJPのトラックで配付拠点に移動するときに寄っていただきパンをお渡しする流れになっています。GNJPには少しお手間をかけていますが、それによって寄付回数を増やすこともでき、第二ステージとしてはうまくいったなと思っています。開始当初は月2~3回でしたが、現在は月10回はパンを提供できています。 こうしてアイデア出しを一緒にしながら、良い形を組み立てていけるところが、GNJPの良いところだと感じています。
従業員からも「ありがとう」
―― 御社にはたくさんのパンを提供していただいていますが、今提供してくださっている商品はどのようなものがありますか?
森田さん 主に「超熟食パン」ですね。長年ご愛顧いただいている主力商品です。あとは「国産小麦シリーズ」です。
―― 大切な商品をご寄付頂くことは、御社側にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
森田さん そうですね、コストメリットという面ではないですが、定量的に測れないメリットが色々な面であります。例えば、商品の廃棄を減らすことができる点です。やむを得ずパンを廃棄する場合、袋から開けて、中身と袋を分けて捨てなければなりません。社内でそれをやる作業者がいるのですが、今回GNJPとの取り組みを始めてから、その担当者から「ありがとう」という声が私のもとに届きました。心のどこかで、誰かに食べてもらいたいと思っていたんですね。従業員にとってもいい取り組みです。
―― 私たちの方から活動のご報告をさせて頂くことがありますが、御社内ではどのように受け取られているのでしょう?
森田さん CSR報告書にこの取り組みを記載したり、情報共有の場でも紹介していたりと、社内の認知度としては高いんじゃないかなと思っています。これからも、できる限りこの輪を広げていきたいですし、企業として継続していける状況を作りたいと思っています。
「協働する」という意識で支援を進める
―― ぜひよろしくお願いいたします。では最後になりますが、 社会貢献を検討されている企業の方でもどこから進めていけばいいかわからない、という方も多いと思います。そういった方々に、森田さんの想いをお伝えいただけますでしょうか。
森田さん 難しいですね(笑)弊社だけでなく、恐らくすべての企業さんが、社会貢献と呼ばれる取り組みをやりたいという意思を持っていると思います。もし何をしたらいいか、等で悩むことがあれば、GNJPのような団体に相談するというのはすごく大事かなと思っています。 自分たちで「こうしなければならない」ではなく、「こういうことやりたいな」という想いを共有するところから始めると、「じゃあこういう形だったらどうだろう」という感じで、一緒に作り上げることができます。企業だけで考えるのではなく、ある意味「協働する」という意識で、相談しながら進めるのが支援に至るまでの近道かなと私は思います。
―― ありがとうございます。 私たちとしても、「作り上げる」「連携・協働する」という想いで取り組んでくださるのはとても嬉しいことです。支援を必要とする方々のために、一緒に活動を作り上げていけるよう、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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