タンザニア ママと赤ちゃんの幸せな明日のために
WHO(世界保健機関)によると発展途上国では、年間に妊産婦10万人あたり239人が亡くなっており、先進国平均の12人の約20倍となっています。そしてその半分以上をサハラ以南アフリカが占めています。原因は大量の出血や感染症などによるものですが、これらの原因のほとんどは予防可能なものです。アフリカ東部に位置するタンザニアの妊産婦も、劣悪な医療環境の下での出産を余儀なくされるケースが少なくありません。WHOによるとタンザニアでは、妊産婦10万人あたり398人が亡くなっています。
(出典:WHO(世界保健機関)”Trends in Maternal Mortality: 1990 to 2015″)
タンザニアでの取り組み
妊産婦が安心して出産できること、赤ちゃんが健康に生まれることは、一人ひとりの生活やいのちはもちろん、地域の未来にも繋がる大切な問題だとグッドネーバーズは考えます。社会の発展を担う世代を健全に産み育てるために、地域全体で取り組む必要があります。
グッドネーバーズは、韓国国際協力団(KOICA)と提携し、2015年からタンザニアの北部に位置するシニャンガ州において、医療機器の援助のほか、医療スタッフへの訓練や、母子保健の教育にも力を入れた母子保健環境改善事業を行っています。
母子保健の環境を改善するために最初に解決すべき課題は、地域住民の「安全な出産」に対する知識不足でした。そこで、地域住民が主体となって事業をすすめることで地域住民の意識を改善することを目指し、まずシニャンガ州の村にコミュニティヘルスワーカー(地域住民の中から選ばれる保健委員)を育成しました。
コミュニティヘルスワーカーは、妊産婦や胎児のための栄養管理や出産前後における衛生環境、定期健診の必要性を地域住民に教えます。また妊婦の家を一軒ずつ訪問し、定期健診を受けられるようサポートしたり、安全な病院で出産するよう促したりする役割も果たします。
出産を控えるサラ ラファエルさんのお話
出生前に健診を受けに4回以上病院に行くように言われました。以前は出産がとても不安でしたが、出産に関する知識や必要な準備を教えてもらったので安全に産めると思います。
コミュニティヘルスワーカーのエディ ジュバさんのお話
妊婦さんに、病院もしくは地域医療センターで出産をするよう啓発をしています。村のヘルスワーカーとして母親たち、赤ちゃんたちのお世話をでき、とても誇りに思っています。
さらに地域住民の主体性を促すために、地域リーダーと専門医療スタッフで組織された保健施設管理委員会(the Health Facility Management Committee)を設立しました。妊婦と新生児のための医療施設が持続的に運営されているのかモニタリングを行い、母子保健促進のための規則を制定しました。規則には病院で出産することや、定期健診等に夫も付き添うこと等が盛り込まれています。
この取り組みの結果、2015年から2018年までの間に訓練を受けた医療スタッフは93人から475人に増えたほか、4回以上の健診を受けた妊婦は3478人から9401人に、医療施設で生まれた赤ちゃんは7266人から13705人にまで増加するなど、妊産婦をめぐる環境は大幅に改善しました。
この事業によりシニャンガ州の住民の意識は変わり、コミュニティにあった妊産婦を取り巻く問題は解決されつつあります。地元住民は、妊婦、乳児、地元の人々が健康でいるためにはどうすればいいのか話し合い、改善しようとしています。グッドネーバーズはこれからも、お母さん、赤ちゃんにとって健康で幸せな世界を作るために働きかけていきます。