【バングラデシュ サイクロン】シェルターの修繕・建設および住民の防災能力向上を支援
バングラデシュは、その地理的条件から最も自然災害を受けやすい国の一つとされ、特にベンガル湾に面しているカラパラ郡は、毎年サイクロンによる甚大な被害を受けています。
カラパラ郡の多くの住民は、竹やジュート材等を使った家屋に居住しており、サイクロン発生時の突風被害を受けやすい状況にあります。
しかしながら、現地政府によると、2020年5月の大型サイクロン・アンファン発生直後にサイクロンシェルターへ避難した住人は、約 25%と非常に低かったことが報告されています。その理由として、シェルターが混雑していることや設備が不十分であることが確認されました。
このような状況を改善し、住民の安全を守るため、グッドネーバーズ・ジャパンは、3月15日に、外務省と日本NGO連携無償資金協力贈与契約を結び、サイクロン発生時に地域住民が安心して避難できる環境を整え、サイクロンシェルターへの住民避難率の向上を目指す事業を開始しました。
- 事業名:カラパラ郡におけるサイクロンシェルター修繕・建設および住民の防災能力向上支援
- 事業期間 (第1年次):2022年3月28日~2023年3月27日
- 供与額 (第1年次):99,999,746円
※この事業は外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」です。
バングラデシュにおけるサイクロンシェルターは主に、平時に小中学校として利用される学校兼サイクロンシェルターと、コミュニティ施設として利用される多目的サイクロンシェルターがあります。カラパラ郡では、多くは学校兼サイクロンシェルターですが、現状ではこのようなシェルターは学校としての機能が優先され、シェルターとして必要な設備が十分に備わっていません。
本事業では、自然災害に脆弱なバングラデシュ・カラパラ郡に所在するダルブガンジ、モヒプール、ニルガンジの3ユニオンにある12の学校兼サイクロンシェルターにおいて、男女別トイレや飲料水供給設備、ソーラーパネルの設置等の整備や修繕を行います。加えて、サイクロンシェルターの不足を解消するため、モヒプールユニオンでは多目的サイクロンシェルター1棟の建設を行います。
※ユニオン:バングラデシュにおける行政の最小単位。複数の村から成る。
また、本事業が一過性の支援にとどまらず、継続した住民の防災意識を育てるために、建設・修繕したシェルターの管理を担う施設管理委員会の組織や住民に向けた防災啓発、コミュニティ主体の防災組織と地方行政の協力体制の構築に取り組み、コミュニティ全体の防災能力向上を目指します。
グッドネーバーズ・ジャパンは、バングラディシュでのサイクロンによる被害を軽減し、人々の安全で安心な暮らしを守るために、支援を続けてまいります。